この本の背景が良く現れている記事であると同時に今年導入される特許法改正案(憶測)の抱える問題について解説されています。
Silicon Valley Raises Voice on IP Reform
Zusha ElinsonThe RecorderMarch 3, 2009
--------------09/03/02----------------------
The Patent Crisis
and How the Courts Can Solve It
by Dan L. Burk & Mark A. Lemley
2009年5月発行予定の本の紹介です。
現在の米国の特許システムに関し、2種類の批判が存在する。
その一つは、
馬鹿げた発明をUSPTOは次から次へと認可し、それら特許権を乱用し特許訴訟が続々と提起されている。
ずっと昔の発明で、現在の実施態様とは全く違うものに対してされた発明で、クレームが曖昧すぎそのクレームが何をカバーしているか-連邦地裁がマークマンヒヤリングを実施した後でさえも-判断できない特許をもとに特許訴訟が提起されている。
製品のほんの一部に関する特許を有するだけなのに製品全体をコントロールできてしまう。
という批判。
もう一つの批判は、
特許システムは強い保護を与えるべき。何億、何十億という投資を回収するためにはより強い保護が不可欠
というもの。
前者の批判はソフトウェア産業やIT産業から来ておりこれら産業の経営者は特許システムは企業に利益をもたらさないどころかコストにしかならない無用の長物とみなしている。
後者の批判は製薬産業や化学産業から来ている。これら産業の経営者は現在の特許システムはFDAの認可遅れに対する十分な補償を与えていないし、損害賠償も不十分と考えている。
これらまったく利害のことなる産業の意見がぶつかり合い2005年に始まった特許法改正の動きは膠着している。
特許法改正に対し、
IT産業は損害賠償額や差し止めの制限、特許権への効果的な異議申し立て手順の構築を望んでいるが製薬産業は反対している。
一方、製薬産業は先願主義への移行、ベストモード要件の廃止、不衡平行為に対する制裁の緩和を求めているがIT産業は反対している。
これらの状況下、議会やUSPTOに抜本的な改革を期待するのは無理であり、改革できるポジションにあるのは裁判所である。
というような内容の本らしいです。
ディスカウント価格で36ドル。この本買いでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿