インド特許庁のインフラ整備はまだまだで、インド特許庁で特許検索するにはPDFフォーマットの公報ジャーナルをAdobe Readerの検索機能でサーチするしかないといった信じられないような状況ですが審査体制の整備もだいぶ遅れているようです。
この記事(Patent offices suffer as private companies lure experienced staff)によると、インドの各特許庁では過去4年間に25から30%の審査官が企業に引き抜かれてしまったとのことです。インドには4つの特許庁があります。カルカッタが本庁で残り3つがブランチのようですが独立性はかなり高く審査結果のやり取りなど行われていないそうです。極端な話、2つのブランチで同じ特許が成立する場合もあるそうです。
ムンバイブランチでは過去2年に3人の審査官が辞職し今は17人の審査官しかいません。チェンナイブランチでは最近半ダースの審査官が辞職し今は35名の審査官がのこっているだけのようです。
インドの全特許庁で受理した出願数は2004年以来3倍に増えたが、特許付与数は1.5倍に留まっているそうですから当然のことながらバックログはどんどん増えていると思われます。
また、インドの場合バックログが適正に保管されているかも気になるところです。と云うのは過去、商標出願ファイルを大量に紛失したという話を聞いていますので、特許が大丈夫だと言い切れる保証はどこにもありません。
審査官が特許庁を辞める原因は給料の安さとプレッシャーの厳しさ。それと、インド経済が爆発的に発展し始めたに伴い、各企業が特許庁にこねがあり、スキルも兼ね備えている知財人材の確保に乗り出したことにあるようです。
知的財産を経済発展の要と考えるなら特許庁審査官の社会的ステータスと給与を高水準に保つ必要があると考えます。優秀な人材が集まり審査官になれは、登録された特許の質も高水準に保てるはずです。どこかの国のように審査官はジョブホッパーの集まり、などということのないようにインド政府が上手に対処してくれることを願っています。
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