2008年6月15日日曜日

日本 IPC-8版対応への特許庁の苦労

先日、IPC-8版に関する懸念の記事をアップしましたが、特許庁の方によるこんな論文を見つけました。
変革する国際特許分類と日本の貢献―リフォームドIPCのこれまでと今後―
これを読むと、日本特許庁がいかに苦労されているかということがわかります。3極特許庁と言えば、日本、欧州、米国ですが、日本と欧州が分類再付与の大半を担っています。日本の国際貢献の少なさが良く非難の的となりますが、こと特許に関しては日本は米国に比して多大な貢献をしていると思います(必要のない、程度の低い出願を垂れ流しているとの批判もあるでしょうがこれは日本企業の責任でしょう)。
USPTOは増加する滞貨と審査官の質の低下、新任審査官の離職率の高さの板挟みで苦しみ、独立採算制で運営され、赤字の見込みなるも特許関係費用の値上げも認められず3重苦、4重苦の状態にあります。IPC改正毎の再付与に役割を期待することは難しそうです。もっとも、レベルの低い担当官に間違いだらけの再付与をされるのも考えものだし、IPCへ歩み寄る要素の全くないUSCを採用している国ですから期待するのが無理ということかもしれません。

高い理想を掲げたIPC-8版ですが、これが真の世界標準分類となるのはまだまだ先のことみたいですね。

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